2/27神宮における研修会に参加して- 古殿地拝観に感動 -
言うまでもなく、神宮においては、昨年、最も大切な祭りである20年に一度の「神宮式年遷宮」を迎えられ、10月2日に内宮、同5日に外宮で「遷御の儀」が行われました。
そして、内宮の「遷御の儀」には、当会々長が奉仕をされ、また同郷出身である神宮出仕の山田倫嗣君(級長戸辺神社社家)と、同じく出仕の平尾旨穏君(日枝神社社家)は、両宮に奉仕をされました。
本研修会には、会員8人で両宮新宮での御垣内特別参拝と、古殿地拝観をさせていただいただけでなく、大変有り難いご配慮で、神宮神道青年会の会員の方々からの解説を頂き、また山田倫嗣君よりは、この度の「遷宮を奉仕されて」をテーマにご講話いただき、本当に貴重な経験をさせていただきました。
当日早朝6時に富山を立ち、11時に外宮に参着。御神楽奉納に続き、御垣内特別参拝、そして古殿地を拝観、多賀宮参拝をさせていただきました。半ば強行日程であったために、途中参拝の予定時間を変更せざるを得ないという情況もあり、はらはらし通しでありましたが、昼食をとり、内宮へ移動。参集殿にて遷宮ご奉仕を通しての講話拝聴の後、御垣内特別参拝、荒祭宮参拝をさせていただき、名残惜しくも帰路につきました。
今回の参宮は、ほぼ終日、雨模様で、特に内宮参拝時には傘からもしずくが滴るほどでありました。しかし、この雨のお蔭か、人影もまばらになったご神域はとても静かで、特別な空間で、特別な時間を過ごさせていただくことができました。
また、本研修会は、私に新しい視点を与えてくれたようにも思います。私の普段奉仕する射水神社は、神宮の唯一神明造を模した神明造の社殿です。この神明造の社殿は、実に簡素で、屋根の鰹木など一部に金物飾りが施してあるほかは、正に自然そのままの素木となっています。しかし、この簡素な社殿であるからこそ、樹齢数百年という鬱蒼とした大木に囲まれたご神域・鎮守の杜に溶け込んでいるのだと感じました。社寺建築と言えば、一般には華美で豪華な装飾や色彩が見所という、ひとつの思い込みの心が洗われたようで、こうした意味においても、今回の研修は、私自身にとって時宜を得たもので、「ご神縁」に改めて感謝したい、そう思える良い研修でありました。
(田中天美)
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