富山県神道青年会 遷宮啓発委員会
Header image

福野夜高祭大行燈奉納

・福野夜高祭保存会

南砺市福野鎮座の神明社(河合登志夫宮司)の例祭に、福野夜高祭として五月一日、二日に練り廻される夜高行燈が、第六十二回式年遷宮と風日祈橋竣功を奉祝して平成二十二年十一月六日、内宮宇治橋前に献灯され、夕刻には広場周辺で練り廻された。

福野町(現在の南砺市福野)の町立てに伴い、慶安五年に神宮から御分霊をお迎えし、その御分霊を奉じた一行が北陸路、倶利伽羅峠で日暮れとなり、町民が手に手に家庭用の行燈を持ってこの行列を出迎え氏神様として祀ったことが夜高行燈の起源と伝えられる。

神明社の鎮座三百五十年を記念して平成十四年にも神宮に献灯されたが、前回は展示のみであったため、御祭神のふるさとで大行燈を練り廻したいという氏子の願いから、今回の奉納行事となった。

現在の福野夜高祭には、高さ約七メートルの大行燈や、中小の行燈が練り廻されるが、電線等の制限がなかった時代は、勇壮な大行燈が作られ、文久年間には十三メートルを超える大行燈が作られた。

今回の奉納行事も前回に続き文久の大行燈を再現し、上部に風神を祀る十四メートルの大行燈となった。

早朝からの作業により朝焼けの中、宇治橋前に大行燈が現れ、好天にも恵まれて多くの参拝者が見入っていた。

午後二時に一行約百二十名は御垣内参拝の後、神楽殿において御神楽を奉納し、午後五時、修祓を受けて点灯されると、勇壮な夜高太鼓の奉納に続いて、広場で練り廻しが行なわれた。午後六時三十分から二回目の練り廻しが行なわれ、若衆のヨイヤサ、ヨイヤサの掛け声が宵闇の伊勢に響いた。