コラム
ますのすし選び
」
これは、「ますのすし初心者」向けの「ハズレないますのすし選び」を支援する目的で、富山に生まれ住んで40年、30種類を越えるますのすしを食べ比べてきた、某神社の某禰宜が独断をもって公表するデータである。是非、有効にご活用願いたい。
ひとくちに「ますのすし」といっても、タイプというものがある。ここではわかりやすく「うま味系」「酸味系」「生系」に分類し、それぞれのランキングをつけてみた。あくまでもこのデータは一個人の味覚と感性によるものであるということを覚えておいてほしい。
●うま味系ベスト3
1. | 高田屋 | (076)432-4774 |
2. | 今井商店 | (076)421-2319 |
3. | なみき鱒寿し店 | (076)425-6780 |
この3店は甲乙つけがたいものがあるので、あまり順位にこだわる必要はないかと思われる。 また、「うま味」系に分類されてはいるが、これらの店のものはもちろん化学調味料の嫌な後味は残らないので安心していい。
1位の高田屋は「酸味系だ」という人もいるが、使っている酢が柔らかいせいなのか、私はあまり酸味の強さを感じない。
2位の今井商店は完成度が高いのか、食べて文句を言う人を見たことがない。換言すれば「万人向け」ということか。
3位のなみき鱒寿し店は「味が薄い」といって嫌う人もいるようだが、それは素材の味が生きていることの裏返しともいえる。
高田屋は富山空港ロビーで、なみき鱒寿し店はJR富山駅ビルでそれぞれ購入することができる。今井商店は富山市総曲輪のアーケードの東端を抜けたところで辺りを見回すと大きな看板を目にすることができる(ビルの上)。が、商品がなくなった時点で店を閉めてしまうようなので、足を運ぶならお昼過ぎまでに。
富山に来てますのすしを買うのなら、この3店は憶えておく価値があると断言しよう。
●酸味系ベスト3
1. | 青山総本舗 | (076)432-5324 |
2. | 千歳(ちとせ) | (076)432-2515 |
3. | 竹勘(たけかん) | (076)492-0816 |
1位と2位は甲乙つけがたい気もするが、青山のご主人の手の指が酢で締まって白く変色しているとの評判を信じて(?)この順位とした。
敢えて「酸味」系という分類を設けたのは、この手の味が一般に女性受けするからである。 私の身の回りでも、女性にランキングをつけさせると、だいたいこの3店のものが上位を占める。 もし、女性のお土産にますのすしを予定されているのであればこちらのランキングを参考にされるとよいだろう。 また、個人的には2位と3位の差はかなり大きいような気がする。
●生系ベスト3
1. | 川上鱒寿し店 | (076)432-5129 |
2. | 紀雅本舗(のりまさ) | (076)421-1324 |
3. | 前留(まえとめ) | (076)441-4544 |
いろいろなますのすしの表面を見比べてみるとわかるのだが、実に個性的な表情を見せている。 ここで言う「生系」とは、にぎり寿司のネタのように色鮮やかでみずみずしい表情を持つますのすしたちのことである。 中には、熟れ鮨っぽいものまであるが、共通点は見た目だけではなく食感も生っぽいということ。にぎり寿司のマスやサーモンがお好きな方には堪えられないという系列のものである。
1位の川上はファンも多く、生系では間違いなくトップ。全体のバランスがよく、生系が苦手な人でも大丈夫かもしれない。
2位の紀雅は比較的最近になって名前が売れてきたお店。ここは生系の中の生系で、一般的なますのすしファンはちょっととっつきにくいかもしれない。
3位の前留は老舗だが、それゆえにインパクトにかけるかもしれない(が、ハズレない)。
あまり一般受けはしない「生系」のますのすしではあるが、それゆえに一度ハマると、抜けられなくなる傾向もある。初心者にはあまりおすすめしないが、食べ比べてみる価値は大きいと考える。
ここのランキングに名前のない有名どころも多数ある。源・せきの屋・関野屋・高芳・なかの屋・吉田屋・小林・笹よし・他いろいろ。これらの店が美味しくないかというと決してそうではない。少なくとも今現在、私の口により合ったますのすしを作っているお店をご紹介したにすぎない。
本当に各店各店で見た目も味もパッケージも異なるので、時間とお金に余裕のある方は、是非ともいろいろと食べ比べてみていただきたい。ますのすしの奥深さをご理解いただけるはず。